記憶

にっこり、と笑ったあのお母さんの顔は、今も忘れらん無いくらい印象深い、一撃だったわ。

これは、反抗してはいけない。


本能的に思った。


それから、本当に食事会して。
「折角だから!」なんて子供みたいに言うウチ…と、大翔のお母さんに促され、写真撮って。


まぁ、行く前までは緊張しちゃったし、ウチのバカ親が何か余計なこと言わないかとか、愛想尽かされちゃったらどうしようかとかビクビクしてたのも、

その時にはもうすっかり消えてて。


和気藹々(わきあいあい)とした空気が、正直楽しかったのは本当に良い思い出。



うん、なんか…楽しかったな。



――――――――――


思い出を、思い出すってのもたまにはいいな。

楽しかった日々、幸せだった瞬間…。



そういえばそんな時いつも大翔が一緒だった。


大翔の笑顔のそばには、必ず『あたし』と『楽しい時間』がセットになってた。


大翔の笑顔は、何もかもをキラキラさせてて――…






…出逢った時から、そうだった。

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