君が彼氏に変わるなら
ドシッ
「あっ、…すみまっ…」
「病人がそんな走るんじゃねーよ」
「亮!?」
「おまえやっぱ危なっかしいなぁ」
ひょいっ
「ひゃぁっ!」
亮は軽々とあたしを持ち上げて
自転車の荷台にのせてくれた。
「ほいっ、首に巻いとけっ
少しはあったまんだろっ?」
「えっ、いーよ…」
グイッ
遠慮するあたしの首に
無理やりマフラーをまけつけた。
「病人は黙って言うこときいてろよ」
ドックン ドックン ドックン
あたしの胸の音がこんなに激しいのは
熱のせい?
亮のせい?
顔が、赤くなっていくのがわかるくらい
ますます熱くなっちゃうよ…っ…///
「病人に二人乗りさせるってのも
どうなんだろうね?」
あたしは、亮の背中で顔を隠しながら
すごく小さく、
亮にしか聞こえないくらいの声で
そうささやいた。