ド天然!?魔女っ子の秘密
「"大宇宙に浮かび 紅く輝く 火の星 火星よ。

我が声を聞け。

火星よ 炎を司るその力を 我に貸せ

我に力を"––––––!」


雅人の周りは、火で包まれる。

といより、火を纏っている。


あ、でも、決して雅人は燃えていないし、競技場も燃えてはいないよ?

本当の火だと、今の状態はピンチだで今すぐ助け出さなきゃいけないけど、これは火星が雅人に渡した魔力が元になった火。

決してその魔力の使用者を傷つけるものじゃないから大丈夫なんだ。


雅人は右腕をゆっくり引き上げて、こちらに向かって指を指した。


すると、雅人が纏っていた炎があたしにむかってきた。

それも、異常に速いスピードで、あたしめがけて一直線に。


「由良!」

美玲が叫んだ。


「大丈夫だよ」

あたしは美玲の方を見て微笑んだ。

その間も炎は速いスピードでこちらに迫ってくる。


星使いの魔法とはいえ、これは炎系の魔法。


炎に打ち勝てるのは、水だよね。

風や氷でもできないことはないんだけど、水の方が手っ取り早い。


「"ウォーターウォール"」


あたしは水の壁を創り出した。


雅人の炎が水の壁にぶつかり、水は炎の熱を全て奪い去り蒸発した。

あたりは一面、白い水蒸気で覆われる。
< 338 / 535 >

この作品をシェア

pagetop