ド天然!?魔女っ子の秘密
「由良、お前凄すぎ…」

「そう?」

あたし、自分の実力をほとんど出していないんですが…


「強いな」

「そうじゃないと死ぬもん」

魔物に対抗できるほどの力がなければ、魔物に倒されて、終わり。


だから、自分の命を守るために、他の人の命も守るために、強くならなければ。


「…そうだったな」

あたしの家の事情を思い出したのか、最初はポカンとしていた雅人が呟いた。


って、無駄話はこの辺にして。



「…集中しないと、痛い目見るよ?」


あたしが冷たく言い放つと、雅人は真っ青になった。

雅人はプルプルと頭を左右に振って、もう一度集中し直したようだ。



「火星、ありがとうな。

また、力を借りるな」


優しい声で、纏っている炎に感謝の気持ちを述べた。


すると、次の瞬間、真剣な表情になった。



雅人の場合は次にどんな魔法が来るのか予測不可能。

そのため、あたしも油断しないように常に雅人の動きに集中する。




深呼吸する音が聞こえた。


…何か来る…?


そう思ったのと同時に、雅人の声が聞こえてきた。

< 340 / 535 >

この作品をシェア

pagetop