ド天然!?魔女っ子の秘密
どうして代わってくれないの?

あたしもブランコに乗ってみたいな…


あたしの心にあるのはそれだけだった。


でも、幼いあたしは自分の強大な魔力を制御しきれなかった。



自分でもどうなっているのか分からない。

幼いあたしには、ただダムから放出された水の如く溢れ出てくる強大な魔力に、意識を飲まれるしか術がなかった。


自分の意識から遠いところに現実があるように感じた。






『キャアアアアアア!!!!』



彩ちゃんの叫び声でハッと我に帰る。

未だに溢れる魔力を必死で抑え込んで、意識を戻した。


彩ちゃんは体中に傷を作り倒れていた。彩ちゃんの服には血がこびりついていた。


あたしの服にもその血がついていた。

あたしは何が起こったのか分からなかった。


隣のブランコに乗っていた親子があたしに言った。

厳しい表情で、子供を力強く抱きしめていた。


『あなたが、あの子を攻撃したのよ!』


意味が分からなかった。

なぜあたしが彩ちゃんを攻撃しなければならない?

大好きな親友を、なぜ傷つけなければならない?

いくらブランコを代わってくれなかったとはいえ、そんなことで攻撃しようなんて思わない。


傷つける理由なにもないのに、どうしてあたしが攻撃しなければならないの?


『違う…』

あたしはその若いお母さんの言葉を否定した。
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