ド天然!?魔女っ子の秘密
彩ちゃんは幸いにも軽傷だった。

あちこちを怪我していたが、どれもが軽い切り傷だった。

顔にも怪我はしておらず、できた傷でさえ、お医者さんからは傷痕は残らないだろうと言われた。


ただ、ショックと疲れからか、彩ちゃんは手当てしてもらうと寝てしまったので、1日だけ入院することになった。



あたしは、ずっと彩ちゃんのそばにいて謝り続けた。


彩ちゃんが寝た後も、『ごめんね』と静かな声で謝り続けた。

涙が静かに頬を伝うのを感じた。


やがて彩ちゃんのお父さんとお母さんが駆けつけ、あたしは一生懸命に謝った。


『本当に、ごめんなさい!』

『いいんだよ、そんなに気にしなくて。大した傷もないようだしね』


お二方は微笑んでくださったが、あたしは罪悪感でいっぱいだった。


『由良さん!』

千沙さんが駆けつけてくれた。

この時の千沙さんは確か高校生だったかな…?

その頃からいつも冷静で大人な千沙さんが、息を切らしていた。

もう一度千沙さんと謝り、あたしと千沙さんは帰ることにした。



『ちささん…』

病院をでたところで、あたしは千沙さんに尋ねた。

『どうかしましたか?』

柔らかい微笑みをくれた。

『あたしって"異常"なの…?』

繋いでる千沙さんの手をギュッと握った。

『違いますよ。由良さんは異常じゃないです。あたしが断言します』

千沙さんは優しい口調でそう言った。
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