ド天然!?魔女っ子の秘密

楓花さんは、翔太の彼女だけど…でも、お友達にはなりたいな。


だって、貴重な人だよ！？

あたしの魔力のことを知っているのに、お友達になりたいなんて人、そうそういない。


なんだか良い友達になれそうな気がする…！


それにね、お友達になれたら、諦められるかもしれない。翔太に対する恋を辞められるかもしれない。


もう、辛い想いをしないで済むかもしれない。

あたしは、その可能性に賭けてみようと思うんだ。


それにね、この醜い感情を抱いてしまう自分を変えたい。自己嫌悪に陥るのは、もう嫌。


「ありがとう。すごく嬉しい」

楓花さんは優しく微笑んだ。

あたしも微笑み返す。

「あたしこそ…ありがとうございます」


だけど、やっぱり辛くて。逃げたい気持ちも健常だった。

あたしはそこまで出来た人間じゃないの。



しばらくすると楓花さんは手をたたいて何かを思い出した様子だった。

どうしたのかなと思って見ていると、「そういえば用事があるんだった」というと荷物を持って病室を後にした。

病室を出て行く最後まで、綺麗な人だった。


また病室に静けさが戻る。

あたしは思い出した。


「あ、翔太」

「あ？」

「楓花さんがやってきたとき、何か言いかけてたよね？」

「……」

翔太は眉間にしわを寄せ始めた。


「何を言おうとしてたの？」

「…なんでもないけど」

「いや、ちがうよね？何かあるよね？」

「何もねぇよ」

「嘘！」

それくらいあたしだって分かるんだからね！