ド天然!?魔女っ子の秘密
「楓花さん!とても綺麗です!」

楓花さんは、ロイヤルブルーのシンプルな細身のロングドレスを着ている。

左の鎖骨の部分にはドレスと同じ色の大きなバラの飾りがあり、大人っぽいデザインのそのドレスは、楓花さんによく似合っている。

長くふわりと巻かれた髪には、同じく綺麗な青の髪飾り。


美しい、という言葉は楓花さんのためにあるんだと本当に思った。

本当に同じ高校生ですか、と疑いたくなるくらい、楓花さんは綺麗だった。


あ、そういえば…

「ね、どうしてあたし達こんな格好をしているの…?まるでパーティにでも行くみたい…」

あたしが言い終わらないうちに美玲と楓花さんが答えた。


「そうだよ」

「パーティーに行くんですよ」

二人とも表情を変えずに、さも当然とでも言うように。


「へっ!?なんで!?」

いつ、そんな話になりましたっけ…!?

あたし記憶にないんですが!!


「あら、由良ちゃんが入院してた時に封筒渡しましたよね?」

「はい」

「あれ、見ました?」

「いえ…」

なるほど、という顔をする楓花さん。

「あの中に、今回のパーティーについてのお手紙と招待状を入れていたのですが…」

「えっ!?ごめんなさい、あたし…」

「いえ、大丈夫です!私がどうにかしますから」

「へ…?」

「さ、行きましょう。もうそろそろ時間ですから…」

「そうですね。ほら由良手を掴んで」

そう言って手を掴まれる。

「まさか…瞬間移動を…?」


楓花さんは微笑んだ。

「そうですよ」

当然でしょう、とでも言いたそうに。


「"モーメント・ムーブ"」

風が吹き荒れ、あたしは目を閉じた。
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