ド天然!?魔女っ子の秘密
このまま喧嘩別れとかしないよね!?

これで別れちゃったら、120%あたしの責任になっちゃうよね!?

それに二人の関係が崩れちゃって元通りには戻れなくなるよね!?

それって、二人とも大事な幼馴染であり恋人を、永遠に失うってことだよね!?

嫌だよ、そんなの。

そんな辛い思いはもう誰にもしてほしくない。あれほど辛いことはないもん…

だからどうか、二人とも、別れないで!


あたしは心の中で祈った。


「来るな、絶対来るな!」

「絶対に行くわ」

「何で…」

決まってるじゃない、と美玲は雅人の言葉を遮った。

「あたしも翔太を助けたいもの」

その瞳は切実そうに訴えた。

一瞬沈黙が訪れた。


「…だからって!」


あたしは2人を少し離れたところから見守っていた。

別れ話になりませんようにと心の底から願いながら。

雅人…

そんなに怒ってる理由はただ一つなんだよね?

美玲のことが心配なんでしょ?


まぁそれも当然だよね。

美玲は可愛くて優しくてもう完璧な女の子で、雅人の大切な彼女だもんね。


怪我するかもしれない。

下手したら死ぬかもしれない。

そんな危険な戦場に自分の大切な人を行かせたくないよね…


「…絶対怪我すんな」

それが条件な、と雅人はそっぽを向いた。

話の流れは途中までしか見ていなかったけれど、どうやら雅人が負けたらしい。


「えぇ」

美玲は少し嬉しそうに、しかし真剣な顔をしていた。
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