ド天然!?魔女っ子の秘密
「じゃあ明日」

いつもの通り笑顔で挨拶をした。

その後部屋にかけた魔法を解除し、美玲とあたしはそれぞれ自室に戻る。

雅人の部屋を出て、ドアを閉めるのと同時にチラっと視線を横に移動させた。

思わず溜息がでる。


…今日も帰って来ない。

というのは翔太のことでして。


美味しい卵粥を作ってくれたあの日を最後に、その姿をずっと見ていない。

学園にもいないし、もちろん寮にもいない。

翔太は当主だから、きっと"サファイア"の方が忙しいんだろうけど、それでも会えないのは…寂しい。

それに、サファイアのこともあるから、ちょっと心配。

前に本で見たことがあるけど、霊に取り憑かれるって、体力的にもかなりきついらしい。

それに取り憑いてる霊の魔力が強いほど、その辛さは増すんだとか。

それも翔太の場合、取り憑かれている霊が、通常の霊の何十倍も強い魔力を持つあのサファイアだから、その疲れは相当なものだろう。

体を壊さないといいんだけどね…

翔太はよく無茶するから、余計に心配。


翔太の負担を軽くするためにも、明日はあたしが頑張らなくちゃ。

由良さんは結構負けず嫌いだけど…この戦いは本当に負けられないね。ううん、負けることは許されない。

ワイバーン…貴方の敵を打つからね。


心に誓った。


ボフっとふかふかなベッドにダイブした。


そしてあたしは目を閉じるのと同時に眠りに落ちた。
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