ド天然!?魔女っ子の秘密
沈黙が流れる。


微かに息を吸う音が聞こえた。

あ、何か来る…

そう思うのと同時に、"サファイア"の方々は一斉に杖を振り上げ叫んだ。


「"ダーク・アロー"!」

「"ダーク・レイ"!」


黒い光線と、弓矢のような物体が飛んでくる。

「"ホーリー・レイ"!」


最前線にいる隊員たちが一斉に杖を振り上げ叫ぶ。

カッと白い光に包まれ、闇は相討ちされた。




まさか、闇系統を使ってくるなんて…


魔物退治屋が、それも"サファイア"が、闇系統の魔法を使うなんて…初めて見た。

普段は絶対に使わないはずなのに…


「"ダーク・アロー"!」

また矢が飛んでくる。


先ほどのスピードよりも数段速く、矢の本数は多い。

魔法の完成度だって、さらに高まっている。


一瞬のうちにこんな魔法を出してくるなんて…


流石、"サファイア"の方々。

こんなにも完成度の高い魔法…普通の魔物退治屋では使えない。


そんなふうに流暢に見ていたけれど、どうやら矢の矛先は、最前線の隊員達ではなく、千沙さんでもなく、あたしのようだ。
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