ド天然!?魔女っ子の秘密
「なっ…!?」

どうして!?光が闇に負けるなんて、あり得ないことなのに!


「この程度の魔法で我を倒せるとでも思ったか」

浅はかな、と鼻で笑われ、あたしの希望は簡単に崩れ去った。


どうして…?どうして、効果抜群であるはずの光系統の魔法が効かないの?それ程までに、あたしとサファイアの魔力の差があるとでもいうの!?


あたしはギュッと目を瞑った。

今は勝つことだけを考えていよう。それが、今あたしがすべきこと。

そうでしょう?


目を開け、肺にたまった空気を吐き出した。


「"アース・スパイア"!」

そして杖を振り上げると同時に魔法を繰り出す。

地面からいくつもの尖っている塔を創り出す。猛スピードで創り上げていき、どんどんサファイアに近づいていく。

いつだったか、雅人に使ったときよりも鋭く、大きい。

これに当たってしまえば、致命的だ。


それなのに、サファイアはなぜかニヤリと笑った。

一体何が可笑しいの?


するとサファイアは杖を振り上げた。

「"スノーウォーリア"」


「え…?」


目の前に広がる、懐かしの雪だるま軍団。

だけど、そこから微かに感じる、この魔力の気配。

それは、間違いなく、あの人のもの。



「しょ…うた……?」



で、でも、一体どうして!?

前を向くと、微かにサファイアが笑った気がした。
< 489 / 535 >

この作品をシェア

pagetop