ド天然!?魔女っ子の秘密
「なぜ…」

身が破綻することを知っていて、なぜそこまで執着するの?


「それほどまでに手に入れたいのだ。

ずっと欲しかった。そのために現代に蘇った」


「…そのために傷つく人がでても、ですか…?」


"禁忌の魔法"に指定されている魔法は全て、使った本人だけではなく様々な人を巻き込む。

巻き込まれた人は、もちろん命を落とすことだってある。

それは最悪な場合だけど、必ず危険な目に合う。


今回の、翔太のように……



「そんなこと、我に関係のないことだ」

サファイアはフンと鼻で笑った。



……関係のない、こと…?


関係の、ない……


ギリ、とあたしは拳を固く握った。

爪が手のひらに食い込んで、血が出るんじゃないかと思うほど。



「……分かりました…

…あたしは貴方を倒します」


声を荒げることもなく、淡々と、告げる。


「魔力が残っていないのによく言う」

威勢だけはいいな、と呆れ笑ったサファイア。


必ず翔太を助け出す。

そして、もうこれ以上、傷つく人を出さない。


でも、どうやって?

取り込まれた魂を、どうやって解放すればいいの?

早く助けなければ、翔太の魂は完全にサファイアの魂と一体化して、二度と助けられなくなる。時間がない。

どこかで見たことなかったっけ、この場合の対処の仕方を。頭をフル回転させて正解を探す。


あ…

そして見つかった。


そうだ。

あれを使えばいいんだ。


でも…

だけど、その魔法を使えるほどの魔力は残っていない…


それに、できるのかな…?

あたしに…
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