ド天然!?魔女っ子の秘密
「戦の最中に呆けている暇などないぞ」

その声で再び現実へと意識を戻す。


「"アイス・スパイア"」


鋭く大きな氷の塊が、凄い速さで矢のように降ってくる。

それも、数がとんでもなく多い。


「"フレイム・ブラスト"!」


辺り一面、炎が覆う。

氷はその熱のせいですぐに溶け、辺りには水溜りだけが残った。


「いい加減諦めたらどうだ。どうせお前は我には勝てぬ」

呆れたような、勝ち誇ったような、サファイアの声が聞こえる。


「絶対…嫌だ!」


ここまで来て…誰が諦めるというのか。

例えこの身をどれだけ犠牲にしようとも、この命が消えることになったとしても、大事な人を救い出すまでは絶対に諦めない。そう決めたんだ!


「往生際が悪いぞ…大人しくワイバーンどもにやられていれば良かったものを」


「え…?」


い、今…今なんて言った?


「……まさか…ワイバーンを操っていた人物は…貴方だったんですか?」


サファイアはニヤリと笑った。

「直接ワイバーンどもを操ったのは、傘下の弱小魔物退治屋だ。

まぁ、そいつらを操っていたのは我だがな」


「貴方が…」

あたしは拳を握りしめた。


「何だ?今まで気づかなかったのか?」

"ガーネット"も落ちぶれたものだな、と高らかに笑うサファイア。
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