ド天然!?魔女っ子の秘密
「………の……で……」


「あ?」

「貴方のせいで!

一体どれだけのワイバーン達が体にも心にも傷を負ったのか…貴方は分かっているのですか!?」


自分たちの身体が乗っ取られ、おまけに自分達をまとめてくれる存在である長が殺された。

そのことで一体どれだけのワイバーンが心を痛めたことか。

一体どれだけの涙が流れたことか。

悲しみに明け暮れるワイバーン達のことを…それをサファイアは知らないで…!


キッと睨みつけると、

「どれ程の犠牲が出ようが関係ないと、先ほども言っただろう。

統率権を得るためならば、どんな手段だって使う。

それが我がこの時代に蘇った理由だとな」

言い切ったサファイアに、怒りの感情しかなかった。

息を大きく吸って、感情の乱れを抑える。

真っ直ぐサファイアの目を見て尋ねた。

「…統率権のため…それは嘘ですよね?
…貴方がわざわざ蘇った理由は、もっと別ですよね?」

自分でも驚くほど、淡々とした口調で言葉が出てきた。

「一体何を言って…」

「本当は、ガーネット様のことがあるからではないのですか?」

ガーネット、という言葉を出すと、サファイアはピクリと僅かに動いたように見えた。


「…何を言っている…?」

先程より数段暗く低い声が、静かな空間に響き渡る。

あたしは構わず言葉を続ける。
< 495 / 535 >

この作品をシェア

pagetop