ド天然!?魔女っ子の秘密
「アンドラさんがガーネット様を奪ったことに対する嫉妬、違いますか?」

「戯言を言うな!」

初めてサファイアが感情を放出した。

「貴方はガーネット様に恋をしていた。そうでしょう?」

「貴様知ったような口調で言うな!」

「知っているのです。庭に転がっていたクリスタルを見ましたから」

あたしは冷静に答える。先ほどまでの怒りは消え去ろうとしていた。

「そうだとしても弱冠16の小娘であるお前に何が分かるというのだ!

貴様のような子供に恋だの愛だの、そんな説教される筋合いないわ!」


あぁ、やっぱり。

サファイアはやっぱりガーネット様に恋をしていたんだ。

でもその想いは届くこともなくて…


「ちゃんと分かりますよ、もう気持ちが届かないという絶望と苦しみも…」

あたしが翔太に抱くのと同じ気持ちだから。

「それに、恋愛する人間に年齢など関係ない、違いますか?」


子供だって、恋をするんだよ。

子供だって、人のことを好きになって、その人の幸せを願うんだよ。

相手のことをいつも考えているんだよ。

少なくとも、美玲や雅人、あたしと–––––翔太は。


そこまで話すとサファイアは少し落ち着いたようだが、相変わらず目は血走っている。


「……少々無駄話をし過ぎたようだ」


その瞬間、緊張が走る。
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