ド天然!?魔女っ子の秘密
「こんな時に笑いが起こるとはな。諦めがいいというのか、潔いというのか…そういうところもガーネットに似ている」

フッと笑をこぼしたサファイアはゆっくりと杖をあげた。

あたしは最期の覚悟を決める。



お父様、お母様、千沙さん、"ガーネット"の皆、美玲に雅人。


そして、翔太。


ありがとう、そして、さよなら……



「"ダークス…」


サファイアが魔法を発動する前に、突然強い光が現れた。


「ガッ…」

サファイアの呻き声も聞こえてくる。

何が起こっているのか分からない。


目をそっと開けると、光は異空間の外から突き抜けてきたらしく、異空間の壁どころかサファイアまで貫いてた。

思わず目を見開いた。


「え…?」


何、が、起こっているの…?

え、あたし、生きてるの…?


何が起こったのか知るため辺りを見渡す。

目に飛び込んできたのは、重傷を負ったサファイアと、壁が砕け消えかかっている異空間。

サファイアの創り出した異空間は、既に半分くらいが消え、現実の世界が現れ出ている。


目の前で進行する事態に頭が追いつかない。


どういうこと…?

あの閃光は一体…?

だって、サファイアが創り出した異空間に侵入できるなんて、相当の魔力の持ち主ってこと…そんな人物なんている…?

あたしの知らない人なの…?

そんな人がどうしてここへ…?


頭は疑問で埋め尽くされる。


その隙間から声が届く。
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