ド天然!?魔女っ子の秘密
「由良！」

「無事か？」

「遅くなってすいません！」


ハッと声がした方を見ると、

「みん…な…」

思わず心が軽くなる。

だが瞬時に疑問が溢れ出る。

「どうしてここにいるの？」


すると予想外な答えが帰ってきた。

「俺が魔法で異空間の壁に穴を開けた」

「は…？」

雅人が、あの閃光を…？

「何で…？」

「決まってるだろ？お前を助けるためだ」

「いや、どうして進んで危険な目に遭おうとするの！？
異空間に来れば危険な目に遭うことくらい皆も承知しているでしょ？」

もちろん、サファイアのいるこの異空間にいることも危険ではあるけれど、そに異空間に乗り込もうとすることだって充分な危険行為。

現に皆多少の怪我をしているが、特に雅人なんて黒髪雅人に変身しているものの体中傷だらだ。

「もちろん危険だって承知の上よ。それでも一緒に戦うって言ったでしょう？」

「由良さんはいっつもそう。1人きりで全てを背負い込んで無茶する…いい加減私達にも背負わせてくださいよ」

「少しは頼りなさいよ。あたし達は"仲間"なんだから」

二人にニコリと微笑まれた。


「美玲…千沙さん…」

雅人もニカっと笑っている。


本当に…困っちゃうな…

何で危険な目に遭おうとするの、と怒ろうと思っていたのに、そんな嬉しいこと言われたら何も言えなくなるではないですか。

目頭が熱くなるのを感じたが、零れ落ちないように踏みとどめる。

大きく息を吸って吐くと、心も多少は穏やかになっていた。

明るい表情を浮かべる皆を見渡して一言。


「……死なないで」


あたしの言葉に、みんなはいつもの笑顔で頷いてくれた。
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