ド天然!?魔女っ子の秘密
それに…サファイアを救えるのは、同じ痛みを持つ者だけだと思う。

口先だけの言葉だけじゃ、きっとサファイアは救えない。


そして…その同じ痛みを持つのは、この中であたしだけ。

だから、あたしがしなきゃいけない。

あたしは一つ深呼吸して、皆の顔を見渡した。


「…皆…あたしに魔力を貸してくれないかな…?」


「魔力を…?」

あたしは頷いた。


「もちろん、全てとは言わない。今持っている魔力の半分でいいの。

あたしの、一生に一度のお願い…聞いてくれる…?」

すると、予想外の答えが返ってきた。


「…一生の一度の願いで、こんなことを願うのかよ?本当にお前は可愛げがあるようでないよな」

もっと女の子らしく可愛げのある行動を取れ、となぜか雅人に叱られる。

「へ?」

可愛げがあるとかないとか、そういう問題じゃないんだけど…

「一生に一度の願いじゃないわよね、こんなの」

「全くですね。こんなのは一生モノの願いなんかじゃないです」

ねー、と女子二人は盛り上がっている。


「え…ぇ…え?」

え、待って…皆なんでそんな呆れたように怒ったような表情をしているの…?


「一生に一度の願いは、また別の機会に取っておいて?こんな願い…一生の願いはおろか、願いのうちにも入らないわよ」

「え…?」

「"仲間"として当たり前だろ?」

その言葉に涙が出そうになった。
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