ド天然!?魔女っ子の秘密
ただ、と雅人は言葉を続けた。

「魔力を渡したら、もう俺も美玲も、サファイアには対抗できねぇだろうし、まともに戦えないだろうから…俺たちの分まで戦ってくれよな?」

「翔太を救い出して、由良は絶対に怪我しないこと!いいわね?」

「無茶するな、と言っても由良さんは絶対無茶しますからね……絶対に死なないでくださいよ?」


皆は爽やかで清々しい笑顔をしている。


皆の言ったことを整理すると、怪我しないで頑張れってことだよね…?


はは、本当に…

みんな優しすぎるよ…


「…ありがとうっ」

あたしは心から感謝した。


皆はあたしに向かって手をかざした。


「そうだ、その前に…」

千沙さんがポンと手を叩く。

どうしたのかな、と思って見ているとスッと杖を取り出した。

そしてクルリと身を反転させると、杖を振り上げた。

「"ライトニング・ブラスト"!」

「ぐぁああっ!」

千沙さんの攻撃は、サファイアに直撃した。


「…千沙さん、凄い…」

美玲がうっとりと呟く。

「せっかく魔力を渡している最中に、邪魔されたら困りますよね?」

クスっと笑った千沙さんを見て、背筋に寒気を感じた。


「攻撃が直撃したようですし…これで、多少は時間が稼げると思います。さ、今のうちに」

その言葉を合図に、皆はまたあたしに手をかざす。

そこからポゥっと現れた優しい光があたしを包んだ。



…暖かい…

これがみんなの魔力…


あたしは目を閉じた。
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