ド天然!?魔女っ子の秘密

「"クリア・スコール"！」

透明な水が降ってきたが、それには毒や酸は含まれていないらしく、怪我をおったまま治癒をしていないあたしには有難かった。


しかしそのせいで宙を舞っていた砂は雨に含まれ床に落ちてゆく。

視界も随分よくなり、お互いの姿がはっきり見えるまでになった。

サファイアは、余裕なのか不気味な笑みを浮かべている。

「"アシッド・ショット"！」

「"シー…あぁぁああっ！」

シールドを展開するよりも速く放たれた酸が、あたしの脚の傷口に直撃する。

今まで経験したことのない痛みが、体中を駆け巡る。

立っていられず、あたしは倒れこんだ。


「「由良！」」

「由良さん！」

みんなの悲痛な叫び声が聞こえる。

サファイアが倒れ込み動けずにいるあたしの傍へゆっくりとした足取りで近づく
。


「くっ！由良さんに近づくな！"ホーリー…」

「"ダークネス・アロー"」

ダーク・アローよりも強い闇の矢が千沙さんを襲う。


「ぐぁあっ！」

「「千沙さん！！」


倒れこむその傍に駆け寄り、千沙さんを守ろうとする二人を見て、サファイアはフッと笑った。


「千沙、さん…」


嫌だ、死なないで千沙さん！

治癒はおろか、駆け寄ることすらできない自分の身が恨めしい。


するとサファイアがあたしに近づき、あたしの顎を掴むと持ち上げた。

それに伴いあたしの上半身も持ち上げられる。


「く......っ」

呼吸の道が塞がれる。

苦しい…

息ができない…


「貴様の命もこれまで！ガーネットよ、お前の子孫の命を、今、我が奪おう！」


勝ち誇った表情を見せるサファイア。