ド天然!?魔女っ子の秘密
あたしの顎を掴んでいる手の反対の手で、ポケットからナイフを取り出す。

その金属は、光を浴びて残酷に煌めいた。


抵抗したいのだが、先程の攻撃による強烈な右脚の痛みが全身を駆け巡り支配して、抵抗しようにも動いてくれない。

両腕も先程の酸にやられて酷い火傷を負っていて、動かそうにも動かない。


万事休す、とはこの状況のことだと思った。


「消え去れ、"ガーネット"の姫君よ!」


そしてサファイアはナイフを持つ手を高く振り上げた。


あたしは反射的に瞳を閉じた。


あたしも、ここまで、か……


「「由良–––––––!」」


大好きな仲間の声が耳に届く。








鋭利な金属があたしを貫く。









「な……!?」



サファイアの声に、目を覆っていた美玲も、目を逸らしていた雅人も、顔を上げた。


「え……?」

「どう、して……?」


サファイアは信じられない、というような顔をしている。

「なぜだ、なぜ!?」
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