自転車通学と、徒歩通学
今朝も、いつものように徒歩で学校に向かう。

今年の12月は凄く冷えて、雪が舞っている。

…いつもなら雪すら降らない土地なのに。


寒さを少しでも吹き飛ばそうと、

手袋の手に、ハァ~ッと息を吹きかけた。


「おはよ」

風が通り過ぎた瞬間、その声が聞こえた。

私はハッとする。

その声はあの時と同じ、さわやかな声。

私の大好きな蓮の声だった。


「・・・おはよ」

声にならないほど小さな声で、挨拶を返した。

でも、その声は、絶対に聞こえない。

だって、蓮は、自転車ではるか先を行っていたから。


…どうしよう、嬉しすぎる。

それからだ。

次の日も、そのまた次の日も。

蓮は、私に朝の挨拶をしてくれる。

他の誰かに言ってるんじゃない。

確かに私に言ってくれている。

…数日後、それは確信に変わった。
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