冷たい手と11月25日
久しぶりの声
蓮人はイメージとはかけ離れた姿を私の前では見せていた。
無口で無愛想・・・
営業マンとしての蓮人も扱いにくいヤツって思ったのが第一印象だった。
でも私の前ではよくしゃべり、よく笑っていた。
だから今、右隣で運転をしている無口な蓮人は取引先としての営業マンの顔。
その蓮人が急に口を開く。
「帰国するって・・・」
蓮人を見ると、真っ直ぐ前を向いたまま。
だから私も正面に向き直し答えた。
「うん」
「もう決めたのか」
「うん」
「どうして」
「もうここにいる必要がなくなったから」
蓮人は呆れながら明らかに怒った顔で私を見るとこう言った。
「必要なくなったって?」
・
無口で無愛想・・・
営業マンとしての蓮人も扱いにくいヤツって思ったのが第一印象だった。
でも私の前ではよくしゃべり、よく笑っていた。
だから今、右隣で運転をしている無口な蓮人は取引先としての営業マンの顔。
その蓮人が急に口を開く。
「帰国するって・・・」
蓮人を見ると、真っ直ぐ前を向いたまま。
だから私も正面に向き直し答えた。
「うん」
「もう決めたのか」
「うん」
「どうして」
「もうここにいる必要がなくなったから」
蓮人は呆れながら明らかに怒った顔で私を見るとこう言った。
「必要なくなったって?」
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