タカラモノ
今日は、待ちに待った聖星林高校の入学式。

あたしは、期待に胸を弾ませて、お母さんと一緒に電車に乗って学校に登校した。

正門の前に着くと、聖星林高校の制服を着た人たちが下駄箱に向って歩いていった。

ほとんどの人が歩きで登校していたので多分、寮から登校した人だと思う。

この高校は、全寮制では無かったが校舎の後ろにバカでかいホテルみたいな寮があった。

勿論あたしの家はそんな寮に入るお金などない。

だから家から登校。

今日は初めての登校日だからお母さんに着いてきてもらった。

迷子になったら困るから。

お母さんがあたしに話しかけた

「雪笑、お母さんここまでだけど、頑張ってね。」

『うん。わかった。着いてきてくれてありがとう。バイバイ』

あたしはお母さんに手を振って歩きだした。
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