【短編】聖なる夜の秘恋
今日のために買った白のワンピースと大人っぽいグレーのグレーのロングコートを纏った私はくるりと一回転して、私は約束のカフェへ駆けていく。
もちろん、手には大切なプレゼントが入った箱をさげて。
私は街の隙間から星が輝く空を見上げて、堪え切れずににんまりと微笑んでしまう。
やっと想いが通じた彼とむかえる初めてのクリスマスなんだ。
それも、周りには一切秘密の恋の……。
何故なら私は文学部の大学2年生で、10歳年上の彼氏はそこの教師だから。
私は入学してからずっと無謀なアタックを繰り返して、今年の夏にやっと彼が秘密で私を彼女にしてくれた。
絶対に秘密の私たちの関係。
でも、彼の隣にいられるだけで私には十分。多くは求めてない。
私よりずっと大人で無口な彼だけど、黙って抱きしめてくれるだけで、すごく幸せになるの。
でもそんな時、私はひとつのショーウィンドウの前で足を止めた。