翼~キミの笑顔が見たいから~
髪の毛サラサラで、すっと通った鼻筋、色白の宮本くんは、
中学校の時とあまり変わっていない様子だった。
「ねぇ、宮本くん。
まさか同じ高校だったなんて知らなかったー。
中学校では同じ部活だったよね?」
あたしは宮本くんに話しかけてみた。
「・・・そうだっけ?」
あたしの方を見ずに、前を見ながら言った。
・・・相変わらず冷たい。
「でもよかったー!同じ中学の人誰もいないと思っ・・・」
「翼ー!よかったー同じクラスになれて!」
1人の男子生徒の声で、あたしの声はかき消された。
えぇ!あたしが宮本くんと話してたのに!
その男子生徒は宮本くんに近づいてくる。
「碧・・・」
宮本くんはその男子生徒の方を見て、言った。
「最近会ってなかったから、どうしてんのかなって思ってたよ!」
「あの・・・・」
あたしは耐え切れなくなって、声をかけた。