ティラミス
『さとみさんへ
別れのあいさつが手がみになりますごめんなさい、
ぼくのことをテレビで見たというので、さとみさんはもう全部分かっているはずです
くわしいことは言えないけど、ぼくは一ヶ月の間だけチャーリイになった
アルジャーノンに花たばを、よみました?
ぼくはチャーリイとちがうところはただ一つだけです
ぼくはきゅうに死ぬことはないらしいこと、
さとみさんはおぼえてないだろうけど、ぼくが小学校にいたころ、さとみさんに会っていたんです
あのときのお礼をいいたくて、
ありがとうございました
でも、ぼくはまだかみさまを見つけていません
あと、本に紙をはさんだこと、ごめんなさい、
さとみさんにはなしかける方ほうがわからなくて、あんなことをしました
さよなら』
クリスマスの夜。
ティラミスを食べてから読んだアルジャーノンの最後のページにこの文章が綴られたメモが挟まっていた。