ティラミス




前から十番目の席は、一年前よりも少し大きくなった彼がよく見えた。

一曲目が始まる。
ホールは静けさに包まれる。



ふと、彼が目線を上げた。


一瞬目が合った。


泣きそうな顔して、彼は笑っていた。



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