ティラミスのレビュー一覧
平均評価星数
5.0
2013/10/30 09:48
投稿者:
沖田 円
さん
ティラミス
何よりまっすぐなひとつの愛情でした。 図書館で働く主人公が、とある本の間で偶然見つけた1枚のメモ「ティラミス食べたい」。ほんの少しだけ不思議なその出来事から、小さな奇跡がはじまった。 著者様のお人柄なのでしょうか、とても繊細で優しいのに、なぜだか涙が出そうになる。ぎゅっと苦しいのに心地いいような、言いようのない読後感に包まれました。 「音楽の神様」に愛された少年と、きっと何の変哲もないごく普通の女性。とても細いけれど、宝物のように綺麗で、長い長いその繋がりが、どこまでも続いていくことを祈ります。 聖夜の奇跡ってこういうことをいうのかなと思いました。 時々、でも何度でも読み返したい作品です。 ぜひご一読を。
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2013/10/30 01:31
投稿者:
櫻いいよ
さん
ティラミスの思い出
なんて美しく、繊細な物語だろう。 読み終わったあと、その世界にしばらく浸っていたいと思う作品でした。(そして実際浸りました) クリスマスと言えば、恋人同士がどうしても頭をよぎる。 けれど、このふたりはそんな言葉では言い表せない、だけど微かに、確実に、つながる関係なのかもしれない。 優しさと愛しさがたくさん込められている。 恋にときめくような、例えばイルミネーションのような、そんなキラキラしたものではなかったけれど、雪の結晶が月の光に反射して、輝いて見える、そんな儚い眩しさを感じます。 彼の振り絞った勇気と、彼の純粋な想い。 そしてそれを受け止めた彼女の強さと優しさ。 とりあえず読んでいただきたい、そんな作品です。
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