ハッピーハッピークリスマス
そんな困惑した顔を店長に向けると、店長は私の袖を少しだけ引っ張り、大和に背を向ける様な形にして話し始める。
「茉依ちゃんの『大切』は彼でしょう。
もう遅いし、充分茉依ちゃんは頑張ってくれたから、今からは茉依ちゃんが楽しんでおいで」
「………」
て、店長……。
店長って思ったよりいい人だったんですね。
店長のそんな言葉ですら、涙を誘う。
「て、店長。ありがとうございます!!」
私はベコリ頭を下げて店長にお礼を言った。
すると
「お礼を言うのはこっちの方だよ。茉依ちゃん」
なんて店長も「今日1日ご苦労様」なんて労いの言葉を掛けてくれる。
「茉依、じゃあ行こうか」
なんて台詞が彼から聞こえてきて、私は急いで荷物を取りに店内に入った。