ハッピーハッピークリスマス
なーんて、互いに仕事があるから、それが終わらないと会えないんだけどね。
寒空の下、私の吐く息は白く宙に舞い消えていく。
辺りももうそろそろ暗くなる。
「後藤さん」
もうそろそろバイトが終わる時間。
この後、彼とどこ行こうかな?
クリスマスなんて、きっとどこも混んでいるだろうから、やっぱりいつもみたいに彼のお部屋でマッタリかな?
「後藤さん」
私の背後で誰かが呼ぶ。
振り返ると店長が困った顔して立っていた。
「後藤さん、ごめん。もう少し居てくれないかな?」
「えっ?」
「いやさ、もう一人のバイトの子が風邪引いたらしくて『来られない』って言うんだよ。
お願い、茉依ちゃん。バイト代弾むから、もう少しだけ居てくれないかな!?」
「……」