ハッピーハッピークリスマス
相変わらず雪はチラチラと舞い、通り過ぎる人達も足早だ。
そんな人達に店長は一生懸命ケーキを売り込んでいる。
ーーあーあ、ほんと、いつ終わるんだろ?
大きなため息をひとつ吐いて、私は店長の元に走り寄った。
「店長、戻りました」
「はーい、まだまだ残ってるから、売り切るまでがんばろーね!!」
はい?耳を疑いたくなる台詞がまさに今飛び込んで来た。
これ売り切らないと帰れないの??
テーブルの上に置かれたケーキはまだ山の様に売れ残ってる。
それを見た途端、もうまさにきっと私は泣きそうな顔になっていると思う。
途方に暮れる!?とんでもない!!
もう奈落の底に真っ逆さま。てな感じだ。
「……もしかして茉依ちゃん、この後約束でもある?」
店長はそんな私の醸し出す雰囲気で何か察したのか、遠慮がちにそう聞いてきた。
私はなんて答えたらいい?
一応会う約束はしてるけど、時間も場所も決めてない。
彼もまた年末で忙しい。って言ってたから、とりあえず互いに仕事が終わったら連絡する事になってる。