いらっしゃいませギルド相談の登録はこちらでち!
相談員のはずなんですけどね……でも私の前でにっこりと笑う上司は早く仕事なれてよね、とにこにこ笑顔でお説教をしてくるのですよ!
「卑怯なのです! どうして私がこんなところであこぎな商売を手伝わないと駄目なんですか!」
「人手が足りないからあんたみたいなのでも連れてこないとやってられないの! あんた一応適正があったんだから諦めなさいよ!」
どんと私が座る受付カウンターを叩く上司のエリスレアさん、本名は知りませんけど、この上司のお兄さんですはい、このお人はいつも私をこきつかうのですよなのに平気な顔をしてるんです。
私はこの異世界アデルに連れてこられてきたんです。はいどうも適正とやらをあのガラガラ抽選で見ていたようなんですねぇはい。
そしてその適正があったということで、この世界に無理やり連れてこられてしまったのですよ私は。
なんとかしてほしいのですよ、私はこの闇ギルドの圧倒的な人手不足を補う為にこのエリスレアさんに無理やりこの世界に連れてこられてしまったのですよ。
よよよ不幸なのです。
私は闇ギルドの『相談員』として悩み相談とやらを聞くことになったのです、どうしてそんなことに?
どうも癒しの適正があったということでここに無理やり配属されたのです。
私は抵抗したのです。でもアリスさんよろしく穴の中に入ったらこの世界に来ていたのですよ。
帰せとどなりましたがどうも私を帰す気持ちはないらしく、こんこんと人手不足をエリスレアさんは訴えてきたのです。
だから人手が足りるようになったら帰してくれるといったので、その言葉を信じてお仕事をしてるのですよ。
私はこの闇ギルドの相談員として受付カウンターにいるのですよ。私は普通の会社員でした。
漸く就職できてこれからなんとか仕事なれたっていうところで、この異世界に連れてこられてしまった不幸な乙女なのですよ。
私は円上 絵未瑠といいます。えみるっていうのはキラキラネームみたいであまり好きじゃないのですが、この世界では割と違和感がない名前らしく助かってますよ。
私はこの美人お兄さんにお説教を受けながらも、なんとか相談員としてやっていこうとしているところなのです。
給料は非常に安いので、確かにこれじゃあ人はいつかないと思うのです。
私ははあとため息をついて、本日の相談を受ける人の名前が書いた書類に目を通しました。
一番は勇者に悩む魔王様なのです。