真夜中のプロミス
そうすれば彼女がどんな反応をするのかわかっているのだ。
気付かれないようちらりと視線を向ければ、予想通り戸惑いと不安を滲ませた顔をしておろおろと義経を見ている。
さながらそれは迷子の子どものよう。
そんな郷御前の様子に、義経は堪えられないとばかりに顔を上げた。
「…ぷはっ!怒ってるんじゃない。拗ねてるんだよ。やっと嫉妬してくれたかと思ったのに」
やっぱり駄目か。
そう言った顔には笑いを堪えすぎたせいであろう涙が浮かんでいて。
流石の郷御前も義経が自分で遊んでいたのだということに気付く。