真夜中のプロミス
「よ、義経様!」
からかいましたね!?そう言って眉を寄せ赤くなった頬を膨らませる郷御前。
その反応が可愛くて可愛くて。
義経の笑いは止まらない。
今でこそ声を押し殺しているが、昼間であったならその笑い声はどこまでも響いているだろう。
楽しそうに笑う義経の前で郷御前は拗ねたように顔を背けた。
恥ずかしさからくるそれに義経の瞳がそっと優しく細められる。
一頻り声を殺して笑った後、義経は再び小さく咳払いすると改めて真面目な表情を作り郷御前と向き合った。