真夜中のプロミス
「…でも…ですが…!」
「…いいんだ、もう。腹は決めた。静には申し訳ないが、どうにか生き延びてくれることを願うしかない」
そう真っ直ぐに郷御前の目を見て言い切った義経。
その表情はどこかすっきりとしていて。
下した決断が覆されることはないのであろうことがはっきりと窺える。
そして、そうすることでしか静御前を救える道はないのだということも郷御前にはわかっていた。
この先に待つものが何なのかなど考えなくともわかる。
しかし、それでも納得することは出来ない。
どうしても納得するわけにはいかない理由が彼女にはあったのだ。