真夜中のプロミス
そしてそれでもこの決断を変えることは出来ないということもわかっていた。
「でしたら…」
「だか、それはお前も同じだろう?」
そう言って義経の右手の手のひらがそっと郷御前の腹部にあてられる。
郷御前はその行動に驚いたように目を見開いて義経を凝視した。
「な、なんで…」
誰にも知られていないはずだった。
郷御前はその事実に気付いてから、一度も誰かにそれを漏らしたことはない。
そんな態度をとったこともない。
今はその時ではないと秘密にしていたはず。
それなのに、何故。
そんな困惑が郷御前の頭の中をぐるぐる回る。