蜜恋ア・ラ・モード

「洸太が好き……。なんでだかわからないけど、洸太じゃなきゃダメなの。洸太に会いたいの……」


胸に手を当てるまでもなく、私の気持ちは決まっていた。

もう洸太以外のものが入る余地がないくらい、私の心の中は洸太のことでいっぱいで苦しくて。

こんなにも洸太のことを愛しているのに、どうしてもっと早くこの気持ちに気づかなかったんだろう。

薫さんと付き合って、洸太に会えなくなってから、洸太の存在がこんなにも大きかったことに気づくなんて。


「都子さん、ずっとつらかったでしょ？　そんな思いをさせて、ごめんね」

「なんで？　どうして薫さんが謝るの？　悪いのは、つらい思いをさせたのは全部私の方なのに。薫さんと付き合ってから、洸太への気持ちに気づくなんて……」


薫さんは何も悪くないのに、こんな時にまで優しいなんて。お人好しにも程がある。


「都子さん、それは違うな。都子さんは洸太くんへの気持ちに気づいていたのに、ずっと気づかない振りをしていたんだ。自分でもわからないうちにね」

「そんなこと……」

「ないって言える？　ごめん、責めてるわけじゃないんだ。君にとって洸太くんは、あまりにも近きに居すぎて空気みたいな存在になっていたんだろう。そこにいて当たり前ってね。で、そんな時に僕が現れた。きっと君は、恋に恋してしまったんだ」

「違う。私は本当に薫さんのことを好きで、愛してて……」

「ありがとう。でもね都子さん、僕は初めから君が洸太くんのことが好きなのをわかっていたんだ。わかっていて、君に好きだと告白した」

「どういうこと？」


薫さんの言ってる意味がわからない。