蜜恋ア・ラ・モード
深く重なる唇。私の何もかもを奪い貪るようななキスに、身体が震える。
止めどなく身体を這いまわる手は私の身体を愉しんでいるのか、敏感に感じる部分を見つけると甘い快感を与え続けた。
まだ肝心な部分は触れられていないというのに、もう彼を迎え入れる準備は整ってしまったみたいだ。
身体が疼く。
私の身体と心が、薫さんを欲している。
閉じていた目をゆっくり開けると、薫さんの熱っぽい視線とぶつかった。
「僕が欲しい?」
私のことを見つめる薫さんの目が、愉しげに細められる。
薫さんはわかっているんだ、私がもう我慢できないことを。わかっていてこんな時にまで、イジワルな質問をぶつけてくるなんて……。
やっぱりズルい───
そんなこと聞かれてもそ、簡単に『欲しい』なんて恥ずかしくて言えるはずがない。
でも身体は、今すぐにでも彼自信が欲しくてたまらないと私に訴えかけてくる。
心と身体が矛盾した反応をしてしまい、薫さんを見つめる目が潤んでしまう。
「泣きたくなるくらい、僕が欲しいって? でもちゃんと答えるまで、あげないよ」
目から一粒こぼれ落ちた涙を指で掬う仕草はとても優しいのに、口から出る言葉は意地が悪くて。
私に『欲しい』と言わせたい薫さんは、私の身体に甘い快感を与え続けていた。
「都子さん、もう一度聞くよ? 僕が欲しい?」
もう我慢できそうもない私は身体を捩らせながら、固く閉じていた口を開く。
「薫さんが……早く欲しい……」
私の言葉に薫さんが満足気に微笑むと、耳元に顔を寄せた。