Treasure~もう一度、恋~
美味しそうにフレンチトーストをほおばる陽斗を、あたしはぼんやりと眺めていた。



色素の薄い、茶色の柔らかな髪と大きな瞳

触らなくてもわかる、柔らかなほっぺ

(親バカを差し引いても)可愛らしい顔立ち



「…日に日に、似てくるね…」



陽斗が、きょとんとした顔であたしを見つめる



「なに、なぁに?」



思っていたことが、つい声になってしまっていたことに、そこで気がつく




「なんでもないよ!さて、ご飯食べたら保育園行く準備しようね!」

「はーい」




顔を洗って、化粧をして、着替える。

陽斗は最近ひとりで着替えが出来るようになって、一生懸命ボタンと格闘していた。



「行ってきます!」

「行ってきまーす!」



誰もいないマンションに向かって、あたし達はそう言うと、玄関の鍵を閉めた。





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