Treasure~もう一度、恋~
アイツと俺の出会いは、行きつけの喫茶店だった。
カフェというには古すぎる、年老いたマスターがひとりでやってる裏通りの喫茶店。
きゃーきゃーうるさい女が来るはずもない、
でも俺にとっては居心地のいい場所だった。
台本のせりふを頭に入れる時は、1日中、コーヒーだけでそこで過ごした。
アイツは、いつも窓際の席に座っていた。
今時めずらしい、肩より少し長い艶やかな黒髪
大きくて潤んだ瞳に、すっと通った鼻筋、紅く艶めく唇
顔立ちは少し幼いが、俺と同じくらいの歳だろうか。
白い陶器のような肌に、華奢だけど女性らしい柔らかな身体のライン。
大学の取り巻きの女とは違って、メイクもほとんどしていない。
服装だって、よくいえば清楚。
…いや、地味って言ったほうが、しっくりくる。
背筋をまっすぐに伸ばし、一心不乱になにかを書いている。
その大きな瞳が、俺の方を見ることは一度もなかった。
いつも無心でなにかを書き、たまにコーヒーに口をつけて窓の外を見る。
こっちを向いて
願ってみても、それは叶わない。
カフェというには古すぎる、年老いたマスターがひとりでやってる裏通りの喫茶店。
きゃーきゃーうるさい女が来るはずもない、
でも俺にとっては居心地のいい場所だった。
台本のせりふを頭に入れる時は、1日中、コーヒーだけでそこで過ごした。
アイツは、いつも窓際の席に座っていた。
今時めずらしい、肩より少し長い艶やかな黒髪
大きくて潤んだ瞳に、すっと通った鼻筋、紅く艶めく唇
顔立ちは少し幼いが、俺と同じくらいの歳だろうか。
白い陶器のような肌に、華奢だけど女性らしい柔らかな身体のライン。
大学の取り巻きの女とは違って、メイクもほとんどしていない。
服装だって、よくいえば清楚。
…いや、地味って言ったほうが、しっくりくる。
背筋をまっすぐに伸ばし、一心不乱になにかを書いている。
その大きな瞳が、俺の方を見ることは一度もなかった。
いつも無心でなにかを書き、たまにコーヒーに口をつけて窓の外を見る。
こっちを向いて
願ってみても、それは叶わない。