Treasure~もう一度、恋~
“地元に帰ります。瞬は、夢を叶えてね。
 遠くから、応援してます。”


手紙には、それだけ書かれていた。





大学は卒業していたし

内定が決まっていた大手設計事務所には

辞退の連絡があったという




有希の友達に聞いても、知らないの一点張り




京都まで行った。

有希は、実家にも帰っていなかった。

…というか、有希の実家は、とっくの昔に人手に渡っていた。







「なんでだよ、有希…」






昨日まで、そこにいたのに

笑いあっていたのに




幸せだと

ずっと、一緒だと





思っていたのは、俺だけ?







「…ちくしょ…」





涙が、こぼれた。

俺は、有希の荷物が消えたアパートで

声が枯れるまで、泣いた

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