Treasure~もう一度、恋~
仕事が終わって、陽斗を迎えに行って、買い物をして、手を繋いで帰る。

いつもと同じ日常。

…でも、その日は違った。





アパートの前に、佇む人影。

すらりとした長身




「あっ、佑介くんかなぁ?」




陽斗が駆け出して、でもその足はすぐに止まった。

…違う。

平澤くんじゃ、ない。




その人はあたし達に気づくと、ゆっくりとその視線をこちらに向けた。

暗いのにサングラスをかけ、人目を気にしてる素振り。



あたし、知ってる。

この人を

忘れるわけ、ない。






「…瞬…」





好きで、好きで

今でも夢に見る、ただひとりの人。





「有希…」





サングラスをとった彼は、

やっぱり、瞬だった。






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