Treasure~もう一度、恋~
ヤバイヤバイヤバイ。

この状況は

かなりマズイ、と思う。





「説明してもらおうか」

「…」

「おい、有希」





瞬は、とりあえず淹れたコーヒーに口もつけずに怖い顔であたしを睨んでる。





「お兄さん、誰?おかあさんのお友達?」

「…そうだ」

「じゃあ、おかあさんのこといじめないで」

「い、いじめてなんかないぞ!」

「だって、さっきからおかあさんのこと怖い顔で見てるもん」

「陽斗、大丈夫だよ。これから、お母さんちょっと大切なお話するから、
 テレビ見ながらご飯食べててくれる?」

「…はーい」




陽斗は、少しだけ不服そうにほっぺをふくらませると、あたしの隣に座った。




「陽斗のご飯だけ準備させてもらってもいい?」

「ん?ああ」

「瞬は、ご飯食べたの?」

「…いや、まだ」

「そっか」




キッチンに立って、手早く料理にとりかかる。

ちらりと目をやると

そこには、瞬と、陽斗がいる。


不思議な光景だと思った。

…同じ空間に、3人でいるなんて。











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