Treasure~もう一度、恋~
前に、陽子に言われたことがある。



“あの子は絶対に有希のこと好きだよ”



もし

もしも、それが本当なら

きちんと話さないといけない




「有希さん!」



約束の5分前。

カフェに行くと、すでに平澤くんはテラス席に座っていた。




「ごめんね、待った?」

「いや!俺も今来たところです!」

「ふふ、嘘つき。カップ、空っぽだよ?」

「…!」




ちょっと困ったように笑う平澤くんの向かいに座って、

キャラメルマキアートを注文した。



「なんだか、会うの久しぶりですね」

「そうだね。…ごめんね、電話出られなくて。」

「いや、有希さん忙しいの知ってますし。最近は同じ現場無いから…」



心なしか、平澤くんはいつもの元気がない。

まるで、これからあたしが言おうとしていることを、予感してるみたいだ。


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