ベリーの魔法
「コレット! コレット!」
メリッサの声が遠くから聞こえてきて目を開けると、心配そうに覗き込むメリッサの緑の瞳が見えた。
「よかった。もう目を覚まさないかと思った」
メリッサは涙を流して何度もよかったと言い続け、コレットはいちごを食べたことを後悔した。
言いつけも守らずいちごを食べて、メリッサを心配させてしまったのだ。
メリッサの涙を拭おうと手を伸ばしたところで、コレットは異変に気がついた。
伸ばした手はあまりにも小さく、メリッサが巨人になったのかと一瞬思ったが、まわりの家具も皆大きくて、自分が小さくなっているのだと気づいた。
「一体これは……」
自分の小さな体を見下ろすと、メリッサが涙を拭きつつ説明する。
「コレットが食べたあのいちごにはね、あたしが魔法をかけていたんだけど、失敗しちゃってなんだかわけのわからない魔法がかかってしまったの。それをコレットが食べて、小さくなっちゃったんだわ」
「魔法?」
「でも大丈夫。あたしの師匠のもとへコレットを連れて行くから。ルーク先生ならきっと魔法を解いてくれるわ」