air-s Word
季節は春に近づいているとはいえ、夜になると気温はぐっと下がる。冷え込んだ風邪は体全体を包み込んだ。
僕は夜道を制服のシャツ一枚で、何も考えずただ歩いていく。
―これからどうなるんだろう、と思ったけれど、それ以上に声が出なくなったことがショックだった。
一人、ぼっち。
僕の周りには誰もいなくなってしまった。 助けて、とも叫べない。乞うことすらできない。
それすら出来ないなんて。
僕は一体、どうしたらいいんだろう?
心が、痛くて苦しい。