air-s Word


「どうしてそんなこと言うんだよ」


僕は直の真っすぐな瞳を見つめながら言った。


「…どうしてって…分からないの?…君は僕を裏切った。君のせいで僕は死んだ。…死んだんだ!それなのに君は夢の中でさえ嘘をつくんだね?人を見捨てた人殺しのくせに…」


直の言葉はここが“夢”なのだと啓示した。


見つめたくない現実を見つめたくない人間に言われるなど、胸が張り裂けそうになる程締め付けられる。


「…違う…違う…っ!見捨てたくて見捨てた訳じゃない…」

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