air-s Word


「ねえ、ちょっと!瀬乃君?」


-どうして名前を?


目を開けて始めて自分が眠りについていたのだと気づく。
僕は布団の上に寝かされていた。恐らく誰かが用意してくれたんだんだろう。


…そうか、昨日。


“一緒に暮らそう”と言われ、それに頷いた。


-それから、僕は-?



記憶の糸がぷつりと切り取られているかのように、そこから先の記憶がない。


「瀬乃君?」


肩に触れられた手に目を向けると、一人の少年が目に入った。
昨日見た少年とは正反対の容姿で、金髪に近い茶髪に全体的に人懐っこそうな雰囲気を纏っている。

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